MonkeyFlipのオリジナルの歴史において、『飛猿』と言う名のモデルは2つ存在する。

初代『飛猿』のリリースは、2004年(申年)。

「テンプルを革で繋ぎたい」という僕の無謀な要求に、当時メインで製産をお願いしていた鯖江の工場さんは大泣きしつつ、それでもなんとか手作業で僕の望みを叶えていただき、そうしてでき上がったフレームは今度は革職人さんの元に持ち込まれ、そこでまた手作業で最終加工をしていただいき、80本限定というごく少本数でリリースされたのだ。

膨大な手間と時間をかけ放題にかけたため、28,000円と言う当時としては桁外れにハイプライスになってしまった初代『飛猿』。しかし、これがなんと、ハイプライスをものともせずに瞬く間にソルドアウト。あまりの人気ぶりに、当時のスタッフ全員が驚いたことをいまでもよく覚えている。

以来『飛猿』には「再販して欲しい」との声がチラホラ届いていた。が、工場さんにしても、職人さんにしても、手がかかり過ぎるのでなかなか快くは受けていただけず、それを理由に僕もノラリクラリと再販希望をかわしていた2015年暮れ。

翌年に20周年を控え、目玉企画の一つとして「リバイバルモデル選定会議」というものを行った。それまでにリリースしてきた全オリジナルを一堂に並べ、「20周年に復活リリースするとしたらどのモデルがいいですか?」と直接お客さまに問い、意見をいただき、最終的には投票で復活モデルを決めようという会議だ。

断トツの一位で選ばれたのは、『飛猿』。

ある程度予想はしていたが、その断トツ度合は半端なく、12年経ってなお再販を望まれることに感謝し、僕は『飛猿』のリバイバルに着手したのである。

リバイバルにあたって考えたことは、以下の3つ。

  1. 20周年にちなんでプライスを20,000円をすること
  2. いまの時代に合ったソリッドなデザインに修正すること
  3. これぞMonkeyFlip!なテイストをいれること

1は製産を中国の工場に移すことでなんとかクリアし、2と3については、極厚生地を使うことやトライバルデザインをフロントエンド及びテンプルにオンすることで表現してみた。

こうして二代目『飛猿』は、2016年、初代から干支が一回りした申年にリリースされた。ある意味、MonkeyFlipのフラッグシップ的なモデルである。

(文責:猿頭★岸)