モンキーフリップに少し慣れ親しんだ方なら「零式」を見た瞬間、あのモデルを想い出すだろう。
そう、「零式」は「九里虎モデル」と構造が同じなのだ。
ここで書くことではないかもしれないが、「九里虎モデル」はMonkeyFlipが初めてコミックキャラクターとコラボしたモデルであり(『クローズ』&『WORST』から好きなキャラクターをチョイスできたなか、何の迷いもなく選んだのが花木九里虎だったのだ)、MonkeyFlip史上ナンバーワンのセールスモデルでもある。
だから愛着が深いし、愛着が深いから何度も繰り返す再生産のたびに、改良を加えたい衝動が常について回っていた。しかしいわゆる「大人の事情」というものがある。コラボはいろいろ難しい、と愛されてきたからこその苦悩を抱えることになったのだ。
そんな中2019年度末、10年ぶりにGOTHをテーマとしてボリュームラインのモデルを2型リリースした。
「紫電改」と「雷電」だ。
ここが機会なのではないか、と僕はそう考えた。10年ぶりにGOTHを復活させるこの機会こそが「九里虎モデル」と同じ構造を持つ新しいモデルを出す絶好のチャンスなのではないかと思ったのだ。
出したいフォルムが決まっていたからだ。
オーバルである。
オーバルは、メタルフレームでは(特にセレブブランドで)トレンドに入ってきてはいるが、プラスチックフレームではほぼ見たことがない。ややもすれば野暮ったくなってしまうからである。
だがGOTHという括りには、フォルムとしてオーバルがピタリとはまる(少なくとも僕的には)。そして「九里虎モデル」と同じ構造であれば、オーバルをクールに送り出すことができる。想像した瞬間にドーパミンが溢れ、僕は嬉々としてデザインを始めたのだ。
こうして生まれたのが「零式」である。
名前の由来は、改めて説明する必要もないと思うが、「紫電改」「雷電」ともに戦闘機から名前を拝借している繋がりで、日本海軍が誇る艦上戦闘機「零式艦上戦闘機」、一般には「ゼロ戦」といわれている戦闘機の名前をつけた(「九里虎モデル」が9なので、繋がりで数字を入れたかったという気持ちも裏にある)。
令和始めての元旦にリリースするに相応しい、最強のモデルができたと自負している。
(文責:猿頭★岸)