2024年春の新作は、2018年以来、6年ぶりとなるメタルの2モデルである。

6年前のモデル名を、太陽系から遠く離れた外縁部に存在する準惑星からもらったことに習って、今回は冥王星の準惑星から名前をいただき『S/1978 P1 (Charon-カロン-と読む)』と名付けた。

僕のアイウェアデザインは、フレーム上に様々なギミックを施し、それが個性となることをのひとつの方向性としているので、ギミックを施すスペースの少ないメタルフレームは、正直言って「やりにくい」。それが故に、MonkeyFlipではメタルフレームのリリースが極端に少ないのだ。

しかし、世の中にはトレンドと言うものがあり、ここ数年、メタルフレームへの需要や期待が高まっていることを受け、久しぶりに、手がけたのが今回の2モデル。

 

その感想…たのしかった!

 

メタルフレームで「顔になじみやすい」デザインは、数多くあるわけではない(と、僕は考えている)。しかも、細身であることを信条とするので、大きなギミックを仕掛けることもできない。一体どのようにすればいいのか……それを考えることが、とてもたのしかったのだ。

グルグルグルグル「解」を求めて頭を回しているうちに、ポン、と出てきたのが「Maze=迷路」という言葉。
それが閃きの瞬間だった。

そうだ!
シンプルなメインフレームに、
迷路のようにギミックメタルをオンしよう!

あとは流れ出すようだった。『S/1978 P1 (Charon)』は、顔になじみやすいウェリントンをベースに、ギミックメタルを上部にデザインすることで、Maze感を表現。トレンドでありながら、MonkeyFlipらしいエッヂを立てることができた。

 

テンプルの話。
ライトで、スマートなことがメタルフレームの魅力だと考えているので、当初はテンプルもメタルだけでいこうと思っていた。

が、ここ数年、MonkeyFlipを支えてくださるお客さまのカスタム練度が飛躍的に上がっていることを受け、カスタムを施す余地のあるプラスチックテンプルも準備。結果、メタルテンプルとプラスチックテンプルで、まったく表情の違う、豊かなバリエーションになった。

カラーを含めたバリエーションは、20!
カラー展開で言うと、確かにバイカラーモデルはインパクトが強いが、個人的にはシングルカラーがイカシていると、思っていて、プラスチックテンプルでは、準惑星の名前に恥じないよう、宇宙の写真をプリントしたオリジナルテンプルが好みである。

以上、はたして次は何年後になるかわからない、MonkeyFlipのメタルフレームとして、長く飽きずに、個性を出しつつ、かけていただけるシリーズになったと喜んでいる。

<文責:猿頭★岸>