MonkeyFlip 25周年記念モデルのラストとしてリリースするのは、Modern Piratesとのコラボモデル「TYPE052」である。
名古屋を拠点に全国に熱いファンをスタッヅブランド、Modern Piratesとは過去に一度、『海猿』という名のコラボモデルをドロップしている。2008年、今から16年も前のことだ。
フロントこそシンプルなデザインだった『海猿』だが、レザーとスタッヅをギミックとしてオンされたテンプルはスタッヅブランドModern Piratesを象徴し、大きなインパクトを持って迎えられた(『海猿』の製作に当たって、一緒に鯖江の工場に足を運び、帰りの高速道路で事故に巻き込まれたのも、いまとなっては懐かしい想い出だ)。
『海猿』を出した当時、MonkeyFlipはショップだった。すでにオリジナルは多数リリースしていたが、他の店舗に卸すことはなく、自店でのみ扱っていたということだ。そんなときにModern Piratesとコラボをし、Modern Piratesが自社オリジナルを全国に展開している様子を見て憧れ、代表のNALちゃんに教えを請い、少しずつ取扱店さんに出会い、今のMonkeyFlipを形作ってきた。
その意味で、Modern Piratesはただのコラボ先ではない。だからこそ25周年になったとき、どのブランドとコラボしたいかと考えてすぐに出てきたのが、Modern Piratesだ。区切りの25周年だからこそ、ここから先に一歩足を進めるためにも、Modern Piratesともう一度コラボがしたいと願ったのである。
さて、そのコラボモデルの話だ。
『海猿』はインパクトがあることをまず第一にデザインをした。もちろん、ロックテイストは両ブランドのコンセプトとして外せないが、そこにいかにインパクトを持たせるか、というのが大きなテーマだった。
それから16年経ち、僕もNALちゃんも50歳を超えたジジイになり(僕などは還暦間近のクソジジイだ)、インパクトよりも、ここから先の人生で長く愛されるモデルが作りたいということで意見が一致した。
であれば、素材はセルロイドしかない。何よりもセルロイドはかけたときの感触が抜群に良い。いわゆる「耳あたり」がいいという奴だ。一度フィッティングをすれば、型崩れしないことも大きな特徴の1つであるし、長く愛されるモデルといえば、セルロイド製を外すことはできない。
ところが、である。折りからの新型ウィルスの流行の影響もあり、セルロイドの生地がもう生産できなくなる、という噂が流れてきた。本当だろうかと情報を集めてみると、実際にセルロイド生地が枯渇していることは間違いないとわかってきて、急いで集められるだけのセルロイド生地を集めるところから、このコラボはスタートした。
フォルムデザインはこれまで話してきたように、これからの人生で飽きることなく長く使えるものをコンセプトとしてアップ。そして、さぁギミックをどうしよう、という話になった。MonkeyFlipとModern Piratesのコラボであれば、期待されるのは当然スタッヅによるギミックだろう。もちろん、16年前のようにこちらで「カッコイイ」と思うスタッヅデザインを施し、モデルをリリースすることは可能だ。
しかし16年の時が流れるうちに、MonkeyFlipのお客さまの多くが自らカスタムをデザインし楽しんでいただけるというところまでカスタムカルチャーが広がった。であれば、カスタムはお客さまにお任せしよう、そう僕たちは考えた。Modern Piratesをイメージするスタッヅカスタムでもいいし、あるいは、他のカスタムをしてもらったとしても、それは「長く愛してもらえるモデル」というコラボコンセプトに相応しいと考えたのだ。
モデルはすべてで3種類。
MonkeyFlipもModern Piratesも名古屋発のブランドなので、モデル名は名古屋の市外局番052をとって、「TYPE0」「TYPE5」「TYPE2」と名付けた。
「TYPE5」は、過去にリリースしてきた『猿心』シリーズを彷仏させる、とてもかけやすいフォルムである。どなたにでもしっくりくるフロントと、そこから素直に流れるテンプルでザインはトレンドに左右されることがなく、その意味では究極の「長く愛してもらえるモデル」といえよう。
カラー展開は3バリエーション。
基本中の基本とも言えるソリッドブラック。
セルロイドの良さを十二分に表現するブラウンハーフ。
そして、眼鏡を主張させすぎず、顔に馴染むように映えるクリアグレーである。
「TYPE052」は、以上のコラボフレームにプラスして、ここ数年僕たちにとって新しいアイテムとなったマスクがセットとなっている。Modern Piratesは新型ウィルス以来、精力的にマスクをリリースしていて、しかもその技術は年々アップし、今では好きなデザインで製作することが可能とまでになっており、その力をお借りしたのだ。
両ブランドのロゴをあしらったマスクのデザインは3種類。
もちろん、非売品である。
価格においては、正直、セルロイド素材とうことやマスクセットを考えたら、ありえない話ではあるが、モンキーフリップが25周年、そしてNALちゃんが独立して25周年と言うことで、切りよく25,000円(税抜)とした。
各バリエーション10本のみ、9バリエーションなので、全体90本限定のリリースである。MonkeyFlip25周年のラストを飾るモデルとして、次につながるという意味も含めて満足のいくコラボモデルが仕上がった。
快くこのコラボに力を貸してくれたNALちゃんに感謝!
(文責:猿頭★岸)