MonkeyFlipが得意としているのはボリューム感のある攻撃的なシェイプだ。つまり「ゴツく、イカツく、インパクトがある」眼鏡である。これをコンセプトとして表した言葉が、デコラティブ・スマート。「遊び心のあるイカしたメガネ」という意味で作った造語だ。

特に、ブランドとして全国に卸販売を始めた2008年からは、意識してデコラティブ・スマートにこだわったモデルしかリリースをしていない。2009年の「Goth」、2011年の「平安ダークネス」、2012年の「TAROTolic」とリリースを重ね、一つの到着点として2013年に「XENO」をドロップ。そしてXENOをキッカケに一旦デコラティブ・スマートラインから距離を置いた(その理由は、また別の機会に語ろうと思う)。

以降は、刀の名前を持つチタンフレームや、今のトレンドをMonkeyFlip流に解釈した「奇キ」「怪カイ」「屍シ」「累ルイ」、そして童シリーズをリリース。その間「もっとゴツいフレームを」「インパクトのあるデザインを」という声をたくさんいただき、それはそれでもちろん嬉しいのではあるが、そうした声が大きければ大きいほど僕の中の天の邪鬼が首をもたげ「ゴツもなく、インパクトも少ないが、MonkeyFlipらしいデザイン」に心が向いてしまったのだ。

ところが、である。しばらく離れていたからだろうが、昨年から急にまたデコラティブ・スマートなフレームが作りたいと思い始め、そしてデザインしたのがこの “flower” 3モデルである。デザイン上、過去のデコラティブ・スマートに加えて意識したのは、以下の二点。

  1. ボリューム感を持ちながら、かけやすさをあわせ持つことを意識し、スプリングヒンジを使用
  2. アイウェアにカスタムという新しいカルチャーを書き込もうとしている最中なので、カスタムをたのしめるようギミック的なデザイン要素を排除した

以上を踏まえた上で『Peyote』は、多くの方が似あうオールマイティデザインを目指した。フォルム自体の持つ柔らかさとサイズ感のバランスが絶妙に仕上がったと、個人的には満足している。

*“flower” は、Summer of Loveなフラワーチルドレンたちの“flower” からとっている。モデル名がすべて幻覚植物になっているのは、そのためである。

(文責・猿頭★岸)